読書:人は、なぜ他人を許せないのか?

中野信子

他人に、「正義の制裁」を加えると、快楽物質ドーパミンが放出される

これにはまって「正義中毒」になる

SNSの正義中毒者がなぜか頻繁に使用する言葉「バカ」

攻撃者は自らに直接危害が及ぶことなく、安全な場所から攻撃する

愚かさの基準は国によって異なる 日本人は摩擦を恐れて自分の主張を控え、集団の和を乱すことを極力回避する傾向

日本は島国、自然災害が多く、長期的に準備を怠らない人が生き残った

個人の意志より集団の目的を最優先する人材が重要視される

日本人は「一般的信頼」度が低い:よそ者は信頼しない

資源が少なく、災害が多い日本では、集団として物事に対処していかなければ生きていけなかった 集団を優先するようになった 同調圧力も生じた

理性と直感が対立すると、ほとんど理性が負ける

前頭前野を鍛える

 常に自分を客観的に見る習慣をつけ、メタ認知を働かせる

  新しい体験をする

  不安定・過酷な環境に身を置く

  安易なカテゴライズ、レッテル貼りに逃げない

  余裕を大切にする

自分にも他人にも「一貫性」を求めない

     社会学的な内容かと思ったが、実は脳科学に基づいた話だった

読書:『北の国から』黒板五郎の言葉

倉本聰

北の国から 何度見たり読んだりしても切ない物語

現代文明を痛烈に批判しながら、厳しい自然の中で暮らし、しかし現代文明に影響されながら、挫折しては立ち上がって生きていく姿が心揺さぶる

人間も自然の一部なんだとつくづく思わされる

その中での純と蛍の成長が、自分や自分の子どもを見ているかのように、つらく悲しく、楽しく、甘酸っぱく訴えてくる

映画:モーリタニアン


実話

弁護士役のジョディ・フォスターや被告人役のタハール・ラヒムが、少なくとも,見かけも実物そのもの

証拠がなくても、犯人に仕立てられるなどということは、今でも警察の体質からは十分あり得るだろうし、ましてや軍隊のやること、しかもテロ事件とあっては、法に則ってなどというのは、期待できないことなのだろう

オバマ政権になってからも、すぐには釈放されなかった事は残念

一方でナンシーのような人権弁護士が、アメリカに存在していた事が、奇跡であり、うれしく感じる

読書:働かないアリに意義がある

長谷川 英祐

道を間違えるアリが交ざっているほうが、エサを効率よくとれる場合がある

司令官がいない社会性昆虫のアリやハチには個性が存在する 反応閾値に個体差があると必要な仕事に必要なワーカーを臨機応変に動員することができる

働かないアリとは、「働きたいのに働けない」 本当は有能なのに先を越されてしまうため活躍できないアリ 先に働き疲れたアリが増えると働き出す

子を産まない働きアリの謎 女王アリの世話をして、血縁者を通した方が自分が子どもを産むより自分の遺伝子を多く残せる

単数倍数体のため、オスはメスの1/3しか「自分の血」を引いていない

働きアリは子どもの性を識別しており、女王が生むなかからオスだけを選択的に殺して性比を調節している

クローンで構成される社会であっても、その維持のためには個体の「個性」が必要とされるようだ

コロニーの労働効率を上げるためには、コロニー内に遺伝的多様性が必要

短期的な効率ばかりを追求せず、無駄を許容する方が長期的には有効なことも多い

読書:テレビの国から

倉本聰

やすらぎの郷北の国からなど

NHKとけんか別れして、北海道へ「逃げて」からの作品にまつわるあれこれ

倉本聰が何を大事にして書き上げ、当時の何に対しての批判を含めていたのかなど

想いが語られ、作品の背景を知り、改めて作品の意味が見えてきた

と言ってもほぼ北の国からしかよく見ていないのだが

映画:007/No time to die


7年ぶりと

ダニエル・クレイグが終わり方を考えていたというだけあり、これまでとひと味違ったボンドだった

何しろ引退して、彼女と仲良く暮らすボンド

しかも年取ったボンド 後任も決まっている

実は再任テストも合格点とれず

しかしボンドはボンド

それなりのアクションに、語りが加わって渋みも増している

そして最後はとうとう身を挺して、毒物こうじょうに打ち込まれたミサイルとともに消え去る

寂しさもあるが、違う姿での復活が見られるか

読書:じんかん

今村 翔吾

「にんげん」と読めば一個の人を指す。「じんかん」とは人と人が織りなす間。つまりはこの世という意である。

人は飢え死のうとも、孤独に勝てない 多聞丸

人間とは を松永久秀の生涯と、それを語る信長を通して明らかにしようと試みた

と言えるか 両者ともこの時代にあって神仏を信じず、人とは?を問い続けた

現代にも通じる生き方とも言える