山本みなみ 鎌倉から室町時代というのは、頼朝-北条政子-足利尊氏 くらいしか記憶にないし、勉強した覚えもなかった 執権がどのように役割が形作られていったのか、その中でも時政-義時と、まったく習ったことのなかった人物達が活躍する中で、武士の政権が…
柚木裕子 シリーズ最終章 今回は愚連隊の長となった沖の、生い立ちから、大上や日岡とのかかわりが描かれる 暴力団に全く援護できるところはないが、生い立ちには一片の同情は寄せられるか しかし父親、友人、敵対者を殺して野望を貫くものに、未来はないと…
36年後のトムクルーズ演じるマーヴェリックが共感としてトップガンに戻ってくる スカイアクション映画と よくわからないが核プラントを攻撃するため、戦闘機で困難な飛行をして爆弾を投下 まあ筋はともかく、アクションで見せる トムクルーズも年をとったが…
城山 真一 三上の手記を各話に挿入しながら、火石の活躍を、他の刑務官の視点から綴る 刑務所は更生の場というのがよくわかる 決して罰を与えるだけの場ではないのだ その中で、受刑者と刑務官との信頼が築けることもあるのだろう 三上は実はLGBTで男性刑務…
串田孫一 この時代によく雪山を登っていた様子がよくわかる 以前は「小さいこの存在の中に宿る生命を充分に楽しませることが出来た。有頂天になって悦ぶ生命を抱いて山から下ってきた。登る前の私はもうどこにもいなかった。山を歩きながら過去を切り落とし…
柚月裕子 シリーズ2 大上を亡くし、一人でヤクザと対峙する日岡 駐在所に飛ばされるが、そこに組長国光が 見逃す代わりに情報をもらい・・・ やがて国光と兄弟の杯を交わす 芝居を打って日岡に捕まり、日岡は県警へ戻る 本当に暴力団と警察のつながりはあるの…
小池真理子 両親を殺害した犯人が、唯一血縁として頼っていた叔父だったとは それを知って、取り乱した気持ちで結婚した相手が、自分の体だけを求めていたとは しかし若年性認知症になり、徐々に記憶が薄れる中、家政婦だったたづ一家や、その娘の忘れ形見で…
今村翔吾 「近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く」 塞王:穴太衆の祖は塞の神の加護を受けていて、地揺れや大軍から守れる石垣を積んだ 神に次ぐ者として穴太衆が呼んだ名 「何としても家族を、この地を守りた…
深町秋生 「組織犯罪対策課 八神瑛子」シリーズ、最高傑作! と (ヤクザ小説が連続してしまった) やくざ社会の裏表 組どうしの抗争 その中でも掟破りが出て、一般人にも及ぶ 八神瑛子は必要悪なのか それとも真の正義なのか 「ヤクザが消えたとしても、・・・…
柚月 裕子 暴力団係配属の日岡 上司大上の違法捜査に内心反発しながらも、その思いに惹かれていく そして大上の死 実は監察のスパイで、大上の上司の不正メモを奪うために派遣されていた しかし大上の意志を継いで、暴力団を押さえ込む事を、使命として光景…
聾唖の両親と兄 子どもの頃から通訳として育ったルビー 思いがけず歌の才能を見いだされるが、自分も家族も半信半疑 例に漏れずマイルズへの好意から歌の練習を続けようとするが、家族の仕事の通訳としての手伝いから解放されない 歌をあきらめようとするが…
内田樹 さまざまな媒体に書いたエッセイのコンピレーションとのこと 目次の表題からして大きな問題提起というか挑戦的 「第一章 矛盾に目をつぶる日本人」「私たちは歴史から何も学ばない」 日本では:熟議するというのは要するに時間をかけるということ そ…
逢坂冬馬 第二次世界大戦、独ソ戦 スターリングラードを巡る戦い 憎し みから復讐しようと、狙撃兵となっ頃更田たセラフィマ しかし殺された母や村人たちを焼いたのは、疫病予防だった そしておそらく、女性狙撃兵として苦悩の中で生きてきた教官イリーナも…
本城雅人 脳死移植は生体移植と違って、生きている人に傷つけずに行える ドナーのその後の人生を考えると、少なくとも子から親へというのは考えにくい 「体についた傷のせいで、心まで傷ついてしまう事がある」 「医師に問題が生じると、マスコミや世間は医…
米澤穂信 直木賞 黒田官兵衛が荒木村重に捕われ土牢に長くとどめられたのは、NHK時代劇でも、岡田准一の名演で思い出す この小説は、ノンフィクション風時代劇でありながら、ミステリー小説とも言える 幾多の城内の不思議な事件を、牢内の官兵衛が事件の…
奥田英朗 前も読んだのかな と思ったがドラマで見たものだった ドラマでは高畑淳子が本物かと思わせる中国人になっていた DV夫殺人と失踪偽装 中国人社会もからませ、逃避への国外脱出は出来るのか 犯罪者ではあるが、それに至る経過と、2人の友情に、だん…
真山 仁 原告代理人の強引さは、理解しがたいが、医療裁判に至る現場の経過は実情を調べてリアルに書かれている 医療者は誠実に向き合っても、偶然に左右されることもある 家族は一部始終を目にしているわけでもないし、医療者の思考過程を共有することが出…
クリント・イーストウッド 落馬して落ちぶれたロデオスター 元雇い主の依頼を断れず、メキシコから息子を誘拐して連れてくる仕事を請け負う 子どもは、親の愛を知らずに育ち、強さを求めて闘鶏にのめり込む よぼよぼの元ロデオのスターが来ても、尊敬のかけ…
一雫ライオン 誰かをかばって有罪となる このテーマは法廷ものではよくあるか しかし主人公が裁判官 しかも10年に一人の逸材、東大在学中に司法試験パス、2回の試験もパスして裁判官に さらに道行く人も振り返る美人 と設定が高すぎる 一方の有罪となった被…
太田愛 人間とは何かを問い詰めているようだ よそ者を蔑み、自分の優位性をそのことで確認する事の愚かさや 今のLGBT問題にも繋がる多様性をどう認めるかの視点 魔術師のくだりは、まさに現代の保守教育批判となっている こんなふうに戦うのなら、抵抗するべ…
中野信子 他人に、「正義の制裁」を加えると、快楽物質ドーパミンが放出される これにはまって「正義中毒」になる SNSの正義中毒者がなぜか頻繁に使用する言葉「バカ」 攻撃者は自らに直接危害が及ぶことなく、安全な場所から攻撃する 愚かさの基準は国に…
倉本聰 北の国から 何度見たり読んだりしても切ない物語 現代文明を痛烈に批判しながら、厳しい自然の中で暮らし、しかし現代文明に影響されながら、挫折しては立ち上がって生きていく姿が心揺さぶる 人間も自然の一部なんだとつくづく思わされる その中での…
実話 弁護士役のジョディ・フォスターや被告人役のタハール・ラヒムが、少なくとも,見かけも実物そのもの 証拠がなくても、犯人に仕立てられるなどということは、今でも警察の体質からは十分あり得るだろうし、ましてや軍隊のやること、しかもテロ事件とあっ…
長谷川 英祐 道を間違えるアリが交ざっているほうが、エサを効率よくとれる場合がある 司令官がいない社会性昆虫のアリやハチには個性が存在する 反応閾値に個体差があると必要な仕事に必要なワーカーを臨機応変に動員することができる 働かないアリとは、「…
倉本聰 やすらぎの郷や北の国からなど NHKとけんか別れして、北海道へ「逃げて」からの作品にまつわるあれこれ 倉本聰が何を大事にして書き上げ、当時の何に対しての批判を含めていたのかなど 想いが語られ、作品の背景を知り、改めて作品の意味が見えて…
7年ぶりと ダニエル・クレイグが終わり方を考えていたというだけあり、これまでとひと味違ったボンドだった 何しろ引退して、彼女と仲良く暮らすボンド しかも年取ったボンド 後任も決まっている 実は再任テストも合格点とれず しかしボンドはボンド それな…
今村 翔吾 「にんげん」と読めば一個の人を指す。「じんかん」とは人と人が織りなす間。つまりはこの世という意である。 人は飢え死のうとも、孤独に勝てない 多聞丸 人間とは を松永久秀の生涯と、それを語る信長を通して明らかにしようと試みた と言えるか…
冲方丁 スパイ映画さながら 動作の心理的深読み 出会ったことのない小説 詳細な調査や検索の後がうかがえる 核を積んだ中国ステルス爆撃機の亡命、日本の官庁職員や、その黒幕、アクティベイターなる日米管理のエージェント、現実社会には表に出ないが、本当…
東野圭吾 湯川が養子に出されていた子だったとは! 園香と母の千鶴子、その母親の境遇が、湯川の生い立ちと重なっての行動だったのだとは想像される しかし実は秀美と園香とは血縁ではなかった 最近の作は謎解きがやや単純になってきた傾向があるようにも思…
横山秀夫 コロナで図書館が休みとなり、買っておいた本を読む あまり読まない短編集 横山らしい、警察のどろどろと、しかし人情味あふれた話