読書:天上の葦

太田愛

シリーズ3作目 といっても2作目はまだ読んでいない

天を指さして、スクランブル交差点で死んだ正光

何を指したのか調べるという磯辺の依頼を受け、3人がそれぞれの得意を生かして調査が進む

背景に戦前戦中の、報道統制やそれによって不幸に落ちた国民

その再現を狙う者たちの陰謀が暴かれてくる

喜重らの、戦争への道を阻もうとする(いわば憲法を守ろうとする)決意

「戦争という大火になる前に、あちこちで燃え始めた火がまだ小さいうちに消していかなければ」

反戦を声高に叫ぶより、心にじっくりとしみいる内容になっている

若い人たちにどれだけ伝わってくれるのか

「犯罪者」でもあったが、話が進むにつれ、(都合よく)善意の協力者がつぎつぎ現れてくれることに救いがある