読書:働かないアリに意義がある

長谷川 英祐

道を間違えるアリが交ざっているほうが、エサを効率よくとれる場合がある

司令官がいない社会性昆虫のアリやハチには個性が存在する 反応閾値に個体差があると必要な仕事に必要なワーカーを臨機応変に動員することができる

働かないアリとは、「働きたいのに働けない」 本当は有能なのに先を越されてしまうため活躍できないアリ 先に働き疲れたアリが増えると働き出す

子を産まない働きアリの謎 女王アリの世話をして、血縁者を通した方が自分が子どもを産むより自分の遺伝子を多く残せる

単数倍数体のため、オスはメスの1/3しか「自分の血」を引いていない

働きアリは子どもの性を識別しており、女王が生むなかからオスだけを選択的に殺して性比を調節している

クローンで構成される社会であっても、その維持のためには個体の「個性」が必要とされるようだ

コロニーの労働効率を上げるためには、コロニー内に遺伝的多様性が必要

短期的な効率ばかりを追求せず、無駄を許容する方が長期的には有効なことも多い