読書:黒牢城

米澤穂信

直木賞

黒田官兵衛荒木村重に捕われ土牢に長くとどめられたのは、NHK時代劇でも、岡田准一の名演で思い出す

この小説は、ノンフィクション風時代劇でありながら、ミステリー小説とも言える

幾多の城内の不思議な事件を、牢内の官兵衛が事件の鍵の示唆をして、村重が解決してゆく

しかしそれは、最後には村重の名を貶めんとする、数ヶ月及ぶ策略だったとは

「神の罰、主君の罰よりも、臣下万民の罰は尤もおそるべし」(官兵衛の心得)

それは息子を無駄死にさせた事への恨みからであったが、実は(これも史実のようだが)竹中半兵衛に匿われていたという、暖かい終わり方だった