読書:蟻の菜園 -アントガーデン-

柚木裕子

南米に「蟻の菜園」と呼ばれる、蟻と植物の共依存によって成り立っている自称がある。

人はひとりでは生きられない。誰かに助けられ、誰かを支えながら生きている。が、その前提には自分という人間の確立が必要だ。自立の上にこそ、確とした人間関係は成り立つ

沢越姉妹の悲惨な子ども時代。誰も助けにはならず、父親を殺すしかなかった。

そのことは免罪出来ないが、逆に刑に服すれば、新しい、何にもおびえずに生きられる人生が始まる 事に一筋の光明があるのか

出版された10年ほど前とは違っているだろうが、子どもの生きる権利を守る公的な保証がまだまだ足りないと思われる