2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

読書:志ん生長屋ばなし

古今亭志ん生 立川談志によれば、落語とは業の肯定:人間の業を肯定しているところにあると それは志ん生を分析する中で形作られてきたのだそう 天才は天才を知るということ 我々庶民は、その話を聞いて慰められている

読書:幸村を討て

今村翔吾 真田の家を守りつつ、後世まで真田の名を轟かせる それに賭けた幸村と信之の壮大な夢が、大坂の陣に関わる武将達の生き様と重なって描かれている 幸村を討てをキーワードにして、最後は家康自身が発してしまったことで、戦後の真田家との戦にも又負…

読書:コロナと潜水服

奥田英朗 オカルトとも言えないが、主人公の心象を反映するかのような、人や物が、主人公を導いてくれる それはあたかも、心の底で思っていても、実行できないことを、後押ししてくれているようだ そのことで、新たな人生の一歩を踏み出せる そういうすてき…

読書:52ヘルツのクジラたち

町田そのこ 母子家庭で虐待を受けて、心が死んでしまった者達 まるで他の仲間には聞こえない、52ヘルツの声でなくクジラのよう 昔祖母が住んでいた田舎に逃げてきたキナコ 彼女を救ったのも、傷を負う者達だった くらく切ない物語だが、これから苦難が待ち受…

読書:沈黙の町で

奥田英朗 中学生の転落死 事件か事故か 中学生の生活や友だち関係などを描写しながら、事件解明に迫ってゆく 子ども達の揺れる心の動き 友人がすべてであるかの生活 その中で親、教師、警察、検察が一人一人と向き合う中で、やっと真相が見えてくる その過程…