2020-01-01から1年間の記事一覧

映画:サイレント・トーキョー

テーマは? 主張は? 「世界では戦争があり、日本でもテロの危険性があるのに、日本人は平和ぼけしているんじゃないか」ということ? ストーリーとしては面白かったが、日本の若者が、「あほ」っぽく描かれすぎていないか 設定もすこし無理があるよう 問題意…

読書:大一揆

平谷美樹 一揆というと、打ち壊しや略奪などのイメージだったが、実は組織化されていて、政治的な要求を掲げ、侍との交渉もあったという事実に正直驚いた 中には命助のように、優秀な政治的能力を持った者や、小野のような参謀、権乃助のようなアジテーター…

読書:ゴールデンスランバー

伊坂幸太郎 本屋大賞 首相殺しの濡れ衣で警察から追われる青柳雅春 学生時代の友人との再会を絡ませ、応援され逃げ延びる 少々都合よく、次々助けてくれる人物が登場し、そもそも理不尽な追われ方ではあるが、なんとかなっていく しかしこんな状況になったら…

読書:あの本は読まれているか

ラーラ・プレスコット 冷戦時代のソ連に対するプロパガンダ 発禁となっている小説「ドクトルジバゴ」をソ連内で読まれるように広めるCIAの作戦 実際に行われ、情報が開示されたものに、フィクションで補って書かれたと 西では、CIA文書を記録するタイピスト…

読書:盤上の向日葵

柚月裕子 父親から虐待されて育った、炎の棋士 上条佳介 ゴッホに重ねて投影される、自らの狂気 将棋の裏社会を描く珍しい題材に、佳介を巡る人間模様や生い立ちを絡ませ、それを刑事二人が、天木山死体遺棄事件を真相解明しつつ、それを暴いてゆく過程が、…

読書:犯罪者

相棒の脚本家太田愛による初の小説 通り魔殺人事件と思われた、4人の死 生き残った一人と、守ろうとするはみ出し刑事、その友人 実は裏に大企業と政治家の癒着や、食品有害物質混入 裏社会の関与や、個々の主人公達のこれまでの人生も投影されて、大きなス…

読書:FACTFULNESS

ハンス・ロスリング 分断本能 両極端(先進国と途上国)に分けて、間に分断が存在するという考え 実際は中間がほとんど ネガティブ本能 ポジティブな面よりネガティブな面に気付きやすい 希望を失うという悪影響をもたらす 悪いとよくなっているは両立する …

読書:証言:沖縄スパイ戦史

三上 智恵 子ども達にされた、国のために戦うことが名誉という教育を基礎に、中野学校出身の隊長から巡らされた策 地域に詳しい子ども達を使っての遊撃隊編成 そのため親たちはともに戦う意識で、アメリカ軍に投降することもできない しかし一方で、子ども達…

読書:月の落とし子

穂波了 もう一つのアガサクリスティー賞受賞作 前半は月の永久影から、謎の死を遂げた同僚飛行士の救出 宇宙空間での作業の様子が、リアルに描かれる そして異常な粘膜出血 ウイルスの疑い やがてウイルス感染症の恐怖と、例のない月からの地球帰還行 後半は…

読書:慈雨

柚木裕子 退職した刑事の、現役時代の冤罪を疑わせる事件と、新たな幼女殺人事件のつながりは? 元部下と自分たちの養女の関係もからまり、四国八十八カ所巡礼の旅の進行と並行して、事件捜査が進んでいく その中で、冤罪疑惑に抵抗できなかった自分の贖罪を…

読書:眠りの神

犬塚 理人 スイスには自殺幇助団体があることを、この本を読んで、調べて初めて知った。 もちろん厳しい制約はあるだろうが ただ欧米人の、個人の意志が最優先される国と、日本人のように家族や友人とのつながりを重視する国との国民性の違いは、なかなか埋…

読書:毒牙 義昭と光秀

吉川 永青 信長と出会って、人は使い捨てにしなければならないと悟った義昭 その信長を排するために、言葉の毒を、一途な光秀に、何気ない言葉で注ぎ込み、 毒に作りかえた結果の本能寺 しかし振り返ってみれば、二人は地位ではなく、人間として互いを認め合…

読書:水底の女

レイモンド・チャンドラー 村上春樹訳 マーロウ探偵謎解きの活躍 ストーリーとしてはミステリーとして面白く読めた だがまず室内等描写が細かすぎて、ミステリーとしての店舗が失われている感が否めない 村上春樹が言うように、軽快なペースをもった作品とは…

読書:新聞記者

望月衣塑子 自身の半生 まさに木で鼻をくくったの代表例に出てきそうな、菅官房長官の答弁 それに屈せず権力が隠そうとしていることが何かを、明るみに出そうと奮闘する記者魂 孤軍奮闘にも見えたが、見ている人はしっかり見ているし、表には出ていなくても…

読書:恋のゴンドラ

東野圭吾の軽い小説シリーズ スノボ好きの若者達の、恋愛模様 まあどうでもいいかなっていう模様だが 狭い交際範囲内で、恋愛関係は結構完結してしまう世間の狭さ 東野圭吾もスノボ好きなだけあってなかなか細かいところに詳しい ホテル業務にも精通している…

読書:それ以上でも、それ以下でもない

折輝真透 アガサ・クリスティー賞 第2次世界大戦末期、フランスの小村 サン=トルワン かくまっていたレジスタンスが何者かに殺される 狼狽するステファン神父 疑心暗鬼の村人 村人達の戦時下での生活、過去の過ちが描かれる中 ナチがやってきて、極限での行…

読書:画家とモデル

中野京子 全聾の画家ゴヤ 親密になったアルバ女公爵 祖父がユダヤ人だったベラスケス スペインで当時宮廷貴族が侍らせた矮人である小人を人間として描く 彼らの悲劇は自分のものだと感じたのか? マザコンのギュスターヴ・モロー 母をモデルとしたピエタ(岐…

読書:クスノキの番人

東野圭吾 「人殺しの話ばかり書いていると、時折ふと、人を生かす話を書きたくなるのです」 突然伯母から、クスノキの番人を命じられた玲斗 祈念する人たちとの交流を通じて、クスノキの力を徐々に知る中で、生まれてきた価値などないと思っていた人生が、価…

読書:競歩王

額賀澪 主人公元天才高校生作家:榛名忍がスランプ後に競歩と出会い、題材として再起の小説を書く 取材 で知り合う、後輩の選手八千代を応援する中で、互いの中に、弱さやこれからの目標を捜す過程を見出していくことで、再び前に進みだす 筆者が主人公に、…

映画:パラサイト 半地下の家族

富裕層と貧困層の格差を、見事にブラックに笑わせてくれた 韓国映画っぽく(といってもたくさん見ているわけではないが)残虐シーンもあるが、それが又笑いを増幅している 地下に父親が逃げ込んで暮らす豪邸を、息子が買い取るラストは、希望を抱かせる

読書:天才の思考 高畑勲と宮崎駿

鈴木敏夫 プロデューサーとして、40年近く2人と一緒にアニメ映画を作ってきた 2人のそれぞれ独特の、しかし天才らしい常識外の考え方、人や世の中の見方が、やはりそれぞれでおもしろい しかしそれ以上に、プロデューサーとしての鈴木氏の、時代の見方、向き…

映画:1917命をかけた伝令

(実際は違うのだろうが)全編ワンカットの映像 主人公たちといつも一緒に行動しているように感じる 戦争映画はあまり好きではないが、このためまるで一緒に行動している感じ 戦場の緊張が実感される 塹壕内での爆発に驚かされたり、撃たれるのではないかと…

読書:報復という名の芸術

ダニエル・シルヴァ ガブリエル・アロンシリーズ1作目 遡って読んでくると、アロンがまだ諜報員としての自身も取り戻せていないし、オフィスも洗練されていない時だったと読める しかも敵タリクに撃たれてしまうし シャムロンの力が、実は強大だったことも…

映画:リチャード・ジュエル

1996アトランタ爆破テロ事件 爆薬を発見し、避難を呼びかけたジュエルは、英雄となるが、FBIの見込み捜査と、色仕掛けで情報をとって、裏をとらずに報道したメディア 一転英雄は容疑者に アメリカ映画で時々あるパターン とい うことは実際にも多く怒って…

映画:男はつらいよ50

いきなりの桑田佳祐 熱唱 妻を亡くした満男 久しぶりのイズミちゃん 結局思いを言えなかった満男への、お別れのキス 懐かしくて、おかしくて涙出る もう本当に寅さんには会えない

旅行:スペイン6

グラナダへ アルハンブラ宮殿 団体の見学の予約が厳しく、直前まで行けるかどうかわからなかったが、OKとなる イスラム芸術最大!? 想像以上の広大な敷地がきれいに整備されている イスラム様式の壁天井 よく写真で見る池は意外と小さなものだったが 水を…

旅行:スペイン5

マドリッドからコルドバへ 途中ラ・マンチャのふうしゃの村へ ドン。キホーテの気分 昼食レストラン脇のショップで、昔観光地で見た、コインを圧縮して絵を刻印する機械で、フラメンコ画を 1.5ユーロ その後コルドバのメスキータへ:イスラムのモスクだった…

読書:愛と人生

滝口悠生 「寅さん」で子役:秀吉だった私が語る、映画フーテンの寅 なにやら落語のような語り口で、描写や感想が延々と続く 不思議な視点からの、フーテンの寅映画論 またこの映画の見方が少し変わった 美保純(の尻)への執着 自分の存在感のはかなさ

旅行:スペイン4

スペイン3大美術館のプラド美術館へ この日だけ雨 エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ 怖い絵に出てきたラス・メニーナス 着衣のマハと裸のマハ ソフィア王妃芸術センターでのゲルニカ 実物を前にすると、ピカソの戦争に反対する強い気持ちがより伝わってくる …

旅行:スペイン3

バルセロナからバスでサラゴサへ 世界遺産 アルハフェリア宮殿 イスラム様式の名残があちこちに イスラム時代の宮殿、イタリアのカステルデルモンテを思い起こさせた その後ゴヤの像のある広場向かいの、ピラール大聖堂へ イタリアに比べ、それぞれの大聖堂…