読書:緊急の場合は

マイケル・クライトン
クライトン26歳作品
病理医の主人公が、当時犯罪とされていた中絶をし、死亡させたとして、逮捕された友人を助けるべく、関係者に話を聞いて回る
多くの医師が関わっており、剖検所見や、それに関わる検査などから、そもそも妊娠していないことが判明
家庭内での不和、人種差別、アメリカ社会の中絶を巡る不条理な考え、麻薬の蔓延などの病理が明らかにされていく
サスペンスではあるが、やはりメディカルスクール在学中だった、クライトンの医学的描写の的確性が際立つ
最後は犯人が明らかにされるが、しかし友人はこれまでいた社会から排除されてしまう
社会への問題提起が多々含まれている