逢坂冬馬
憎し
みから復讐しようと、狙撃兵となっ頃更田たセラフィマ
しかし殺された母や村人たちを焼いたのは、疫病予防だった
そしておそらく、女性狙撃兵として苦悩の中で生きてきた教官イリーナも、自分と同じような、悪意の目で見られる体験をしてきたのだということを知ったのだろう
結局戦争という異常な世界で、それに適合するように仕向けられていったのだ
終戦後の生き方がどうなのかが問われている
「普通の少年や少女たちを、まるで別人の戦士のように仕上げる何か」
「それが狙撃兵という兵科であるのか、あるいは何か別のものであるのかは、結局わからなかった」
一方殺しも殺されもしない、治す道を選んだターニャ
「自らの家族を殺され、敵を憎まず、それどころか治療する生き方が、狙撃兵としての生き方よりたやすいなどと、誰が言えるだろう」医療者としての生き方が問われる